共焦点レーザー顕微鏡 (Nanofinder, Tokyo Instruments)

著者: 高水 大樹、修士課程2年生 (2003年度)

1. どんな装置ですか? 何がわかりますか?

 共焦点レーザー顕微鏡は、一般の光学顕微鏡と違い、3次元観察機能を持っています。さらに、細野・神谷研究室にある 共焦点レーザー顕微鏡(TOKYO INSTRUMENTS製 Nanofinder)には、分光器が組み込まれており、微小領域でのラマン散乱・ 蛍光を測定可能で、その三次元的な分布を得ることができます。図2は、当研究室で開発したフェムト秒レーザーシングルパルス 干渉露光法を用いて、非感光性材料であるSiO2ガラス内に回折格子を作製した試料を、共焦点レーザー顕微鏡で 観察した3D像です。


図1 共焦点レーザー顕微鏡


図2 SiO2ガラス内に作製した回折格子の3D画像

2. どんな原理で測定できるのですか?

 「共焦点」とは、光源と光検出器が対物レンズに対して光学的に共役の位置関係にあること、すなわち光源の一点から出た光が 検出器の一点に集まる状態をいいます。図3に共焦点レーザー顕微鏡の光学系を示します。共焦点レーザー顕微鏡は、 レーザーを光源に用います。レーザーは理想的な点光源で、強度が強いという特徴を持ちます。通常の光学顕微鏡での観察では、 本当に観察したい焦点とさらにその上下方向からの光も含まれてしまうため、観察像がボケてしまいます。一方、 共焦点レーザー顕微鏡では、図3のように、検出器の前に焦点と共役の位置にピンホールが設置されており、 焦点位置からのみの散乱光を選択して、ボケ像の原因となる上下方向からの光を遮断することができ、焦点が合った部分だけの 散乱光・蛍光を検出することができます。また、厚さのある透明な試料のそれぞれの深度での像を、パソコン上で重ね合わせることにより、 三次元構造を構築することができます。


図3 共焦点レーザー顕微鏡の光学系