高純度雰囲気グローブボックス

著者: 福間 勝俊 修士課程2年生(2005年度)

1. どんな装置ですか?

 私たちが扱う化学薬品、試料には、空気中の水分、酸素などと反応してしまうものがおおくあります。このような薬品を原料として新しい物質を合成するためには、原料の混合から反応させるまでの間、窒素、アルゴン、真空といった、不活性雰囲気で作業をする必要があります。

 私たちが使っているグローブボックス(図1)では、Arガスで満たされた雰囲気で、試料の混合や粉砕などを行うことができます。このグローブボックスでは本体の内圧を自動制御する機構があり、非常に作業がし易くなっています。


図1

 作業の手順は次のようになっています。

  1. 試料や道具類をサイドボックス(図2)に入れる
  2. サイドボックスをArガスで置換する
  3. サンプルや道具類を本体(図3)に移して作業する

 
図2


図3

2. 原理

 どうやって本体の酸素と水分をコントロールしているのか?

 それは、モレキュラーシーブと特殊触媒でそれぞれ水分と酸素を吸着・除去することで行っています。触媒の能力が落ちてきたらモレキュラーシーブと特殊触媒を再生処理することで能力を再生します。モレキュラシーブスは加熱することで、特殊触媒はArとH2の混合気体を流しながら加熱することで再生されます。