イオン注入装置

著者: 相庭 祥造、 修士課程2年生 (2003年度)

1. どんな装置ですか? 何ができますか?

 イオン注入装置は不純物のドーピング等半導体プロセス技術として広く用い られているほか、各種材料の機械的あるいは化学的な表面改質、また光学的材料の開発等、さまざまの分野で研究・応用されています。

 私たちが使っている装置では、所望のプラスイオン(H、Ar+、Si+など)をイオン源より引き出し、高電圧の電場で数keVから400keVボルトまで加速し、試料にぶつけます。これにより、イオンが物質 の中に注入され、試料の性質を変えることができます。 照射時の加速電圧と注入量を精密に制御することによって、目的のイオンを 設計された深さ分布で制御可能で、表面・表面近傍の改質および新材料の創 製に用いられます。

  • イオン種:Si、B、P、H、Ar、など
  • イオン源:フリ−マン型、スパッタ型
  • イオン加速器 :ディスクロン
  • 加速電圧:60keV〜400KeV
  • 基板温度:800℃(最高) 100K(最低)
  • 到達圧力:〜7×10-8Pa

図1 イオン注入装置

図2 制御盤