リソグラフィ

著者: 西尾 幸真、修士課程1年生(2005年度)

1. どんな装置ですか?

 コンピュータに使われているメモリーやCPUは、マイクロメートル以下の微細加工をして作られたトランジスタやダイオードなどのデバイスからなる集積回路です。このようなデバイスを作るためには、リソグラフィはなくてはならない技術です。薄膜はそのままの状態では何の機能も持っていません。

 機能を持ったデバイスを得るためには、薄膜を用途に応じた形態に加工する必要があります。この加工技術こそがリソグラフィ(石版印刷)と言われるものです。

 以下に、一般的なリソグラフィのプロセスを示します。

@ 感光性を有する有機溶媒(レジスト)を薄膜上に塗布する(後述するスピンコーターを用います)。

A 紫外線をシャドーマスクに通すことで、選択的にパターンを露光します (後述するマスクアライナーを用います)。

B 現像液につけて、露光したパターンを定着します。このとき、露光した部分が溶解・除去されるレジストをポジ型、逆に露光されていない部分が溶解する場合はネガ型といいます。

C レジストが除去された部分だけ、薄膜に加工します。たとえば、希釈したHFなどに漬けることにより、剥き出しになっている薄膜部分だけをエッチングすることができます(前のプロセスで残ったレジストが、エッチングから膜を守る役割をします。)。あるいは、金属などの薄膜を堆積し、その後、レジストを除去することで、剥き出しになっている薄膜部分だけに金属などの薄膜を形成することもできます(リフトオフ)。

D 残ったレジスト膜を除去します。 通常、有機溶剤やリムーバーと呼ばれる専用液に浸すことで、レジストを除去できます。ただし、完全にレジストを除去するためには、酸素プラズマやオゾンを用いてアッシングする必要があります。

 以上のプロセスを露光方法に因んでフォトリソグラフィと言います。

 

2.装置説明