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最近の研究
強誘電体・圧電体の研究(2)
強誘電体・圧電体の開発には幅広い物質感を必要とします。我々のグループは、極めてユニークな観点から物質探索を行っています。ごく最近、我々は銀系ペロブスカイトAbNbO3が従来考えられてきたような弱い強誘電性を示すばかりでなく、非常に大きな電場を印加すると極めて大きな分極を示す強誘電体に変化することを発見しました。この値は、多結晶ながら52 mc/cm2達し、単結晶にすれば7080 mc/cm2に達すると考えています。この結果はAgNbO3が典型的反強誘電体であり、強誘電体・圧電体開発のためのマトリックス材料となりうることも提示しています。本研究は、材料開発に新局面を開いた画期的な研究であると評価されています。
(左図:AgNbO3のD-Eループ APL 90(25) 252907 (2007))
蛍光材料・ELデバイスの開発
数多くの螢光体がすでに実用化されているにもかかわらず、螢光材料における発光のメカニズムはあいまいなままです。我々のグループはこの点を明らかにするため、結晶構造と化学結合を系統的に変化させることができる化合物に対して、キーパラメータを抽出することに成功しました。我々はこの結果をエピタキシャル薄膜螢光体作製にも応用しています。
また、透明酸化物電極を用いて、低電圧で発光するデバイスの作製にも成功しました。
(右図:24 Vで発光する全酸化物ELデバイス Advanced Materials, 21(36) 3699 (2009))
磁性体/半導体ヘテロ界面におけるスピン注入とそのメカニズム
ナノ磁性体と半導体とを原子層レベルでヘテロ構造化し、接合界面におけるスピン依存電子伝導現象を解明することで、電子スピンを半導体などの非磁性体に注入する手法の確立を目指しています。具体的には、磁性体から半導体量子井戸にスピン偏極した電子を電気的に注入し、光学的遷移の選択則に基づいて電子と正孔が再結合する際に生じる発光の円偏光度を解析することでスピン注入効率の定量化を行います。高効率なスピン注入を実現するためには、スピン蓄積・スピントランスファ、さらには接合界面における磁性体と半導体の波動関数の空間での接続等、内在する表面・界面物理を丁寧に解析する必要があります。それらの物理劇考察を通して、新機能性を実現するためのビジョンを提案することは、物理、応用物理研究における醍醐味の一つです。また、フェムト秒レーザーを用いたスピン注入現象のピコ秒時間分解計測を用いたスピンダイナミクスの研究にも取り組んでいます。
(左図:フェリ磁性体/半導体ヘテロ構造におけるスピン注入と円偏光エレクトロルミネッセンス APL 96, 102510 (2010))
強磁性体/強誘電体ヘテロ構造を利用した電圧印加型磁気ビット操作
磁性体を用いた記録メディア(ハードディスクやメモリ)の開発、また、それに付随した新しい物理現象の探求が世界各国で精力的に行われています。特に、磁気メモリ(MRAM)における磁性層の高速磁化制御とその低消費電力化に対する革新的技術の要求は高まるばかりです。しかし、現在最も注目されているスピン注入磁化反転を利用した磁化操作技術は大電流を必要とするため、電力消費を抑制できない等の問題点を抱えています。我々は、この電力消費の問題を回避するために、強磁性体と強誘電体のヘテロ構造を利用し、逆磁歪効果に起因する磁性体の磁気ビット操作を狙っています。これにより、原理的には電流を流す必要が全くなくなり、消費電力をきわめて小さく抑えることが可能となります。
(右図:強磁性体/強誘電体ヘテロ構造における界面誘起磁性制御 JAP 101, 09F512 (2007))
強磁性−反強磁性転移型遍歴電子型磁性体へのスピン注入と磁気秩序制御
これまで多様な磁気転移を示す物質が数多く見いだされていますが、強磁性−反強磁性転移を示す遍歴電子型磁性体は、磁性、電子遍歴性、格子が相互に複雑に結合することで特異な現象を示す興味深い物質です。それらの物質群の研究は、これまでバルク形態において主としてなされてきましたが、長距離磁気相関に変調を加えることでその物理現象の本質を有限サイズスケーリング等に基づいて捉えることが可能です。我々は、これらの物質群を薄膜や細線にナノスケール構造化することで磁気構造、強磁性−反強磁性転移の本質を解明する研究を推進しています。また、これらの物質群に対して我々のグループにおいて実績のあるスピン注入実験を行うことで、スピン流による磁気秩序制御の可能性についても検討しています。これによる新しいスピン源の創製も本研究のターゲットの一つです。
(左図:強磁性−反強磁性転移型遍歴電子型磁性体へのスピン注入デバイス)
強誘電体・圧電体の研究(1)
1920年頃、新規な性質を示す物質として発見された強誘電体群は、その後続々とメンバーを増やし、現在では誘電体を含めば1000を超える化合物が合成されています。現在では、強誘電性のみならず、圧電性、電歪、電気光学効果、光学的2次高調波発生などを示す有用な物質として広範に研究されるようになっています。我々のグループでは強誘電性の起源を解明すべく基礎的研究に取り組んでいます。また圧電体に関しても既知の物質系にこだわらず、新しい観点から物質設計・探索を行っています。
(右図:量子強誘電体におけるソフトモード APL 90 (2007) 252907 )
磁性・電子伝導性酸化物の研究
いわゆる銅系の酸化物超伝導体が発見されて以来、強相関を示す遷移金属酸化物に注目が集まっています。我々は特にこれを意識せず、遷移金属・非遷移金属酸化物を対象に局所構造と元素の組み合わせで電子構造がドラスティックに変化することを定量的に把握し、新化合物を発掘するという手法で数多くの酸化物を見いだし、報告しています。磁性体として強磁性、フェリ磁性に限らずスピングラス、クラスターグラスを対象としていますが、電子伝導体の研究も精力的に行っています。究極の目標は光で制御するスピン転移、光で制御する電子伝導性ですが、この課程で見つかる興味深い物質系についてもその構造と物性を明らかにしています。
(左図:コバルトペロブスカイトの表面強磁性の温度変化 PRB 75(18) 184426 (2007))
リチウムイオン伝導体の研究
液体電解質の伝導度に匹敵するリチウムイオン伝導体が開発されれば、リチウムイオン電池の用途は飛躍的に拡大します。1993年〜に発表したペロブスカイト型リチウムイオン伝導体に関する我々の論文はのべ900回以上論文に引用され、固体電解質のイオン伝導を系統的に把握するのに大いに役立っています。ペロブスカイト型酸化物で見いだされた、伝導を支配する様々な因子を考慮して新規な高リチウムイオン伝導性酸化物の設計を試みています。
(右図:リチウムイオン伝導体のイオンの伝導パス J. Am. Chem. Soc. 127 3491 (2005))