粘弾性ダンパーの部材と粘弾性体の剛性に基づく性能予測

 粘弾性ダンパーを設計する際,ダンパーを構成する装置部材の変形が制振効果に与える影響が無視できないことが判っている。現状では,複素数領域の有限要素モデルを提案し,解析を行なうことでその影響について検証している。本研究では別解として微分方程式を用いた理論解を提案し,有限要素モデルとの比較を行なう。また実験的な検証を行い,理論との整合性を確認し,より簡便な設計式を提案することで装置部材の影響を考慮した粘弾性ダンパーの設計を本研究の目的とする。
 解析パラメータは装置部材の剛性Ks1, Ks2が等しい場合とそうでない場合を想定した。解析結果として装置部材の剛性の変化によるダンパーの貯蔵剛性及び損失係数の低下の割合は,部材剛性比Ks1/Kv*, Ks2/Kv*が低下するにつれて剛性,損失係数の値が理想値(装置部材が剛の場合)を大きく下回っている。またダンパーの効率を十分なものとしたい場合には,装置部材Ks1, Ks2をバランスよく上昇させるよう工夫して設計する必要があるといえる。
 また,実験により本理論解の整合性を確認した。そして,簡便な設計式を提案し,装置部材の影響を考慮した粘弾性ダンパーの簡単な設計法を示した。