Kelvin体による線形粘弾性ダンパー簡易モデルと精度に関する研究

 粘弾性ダンパーを用いた制振構造の時刻歴解析においては粘弾性体の剛性と粘性の振動数依存を再現する必要がある。笠井研究室では,広範囲の振動数においてこれをほぼ厳密に行うモデルが提案されている。一方で制振構造の普及化のため,多くの解析プログラムが有する機能をそのまま利用した簡易モデル化を検討する必要がある。本研究の目的は,外乱の振動数成分が粘弾性ダンパーおよび制振構造の動的特性・応答に及ぼす影響を明らかにすることと,その結果を加味したKelvin体の設定法を提案することであり,厳密な粘弾性ダンパーモデルを含む一質点システム(粘弾性システム)とKelvin体モデルで置換したシステム(近似システム)を,正弦波・ランダム波入力で比較する。
 その結果,近似モデルは,共振振動数からその3倍までの範囲で誤差15%以内の精度が得られた。また変位、ベースシア、ダンパー力の最大値などが厳密な解析の結果と良く適合した。ただし、フレームが弾塑性の場合、その最大塑性率が2以上となると精度が低下することに注意する必要がある。