木質構造を対象とした制振方法の開発・実験(その1)


  これまでの制振構造は主に鉄骨構造へ適用されてきたが、近年は伝統木造軸組を中心とした木質架構に対しても、制振構造の適用が試み始められている。
  本研究では、一般の木造住宅に適用するための木質制振架構を提案するにあたりまず、接合部について静的な引張、せん断2種類の実験を行い、適用層せん断力が作用しても、十分な剛性と耐力を有する接合部を選定した。次にこれらの実験から得られた結果や既往の研究を基に、制振ダンパーを有する木質架構を設計し、動的実験によってその有効性を確認した。
  ステップカラム型では、柱脚を土台梁と切り離し、地震時において柱が浮き上がることを利用して粘弾性ダンパーへ変形を導入する。 またシアリンク型では、構面のパネルを鉛直方向に切り離し、地震時にパネル間に鉛直方向の相対変形が生じることを利用している。この2タイプの架構は、壁倍率4相当の壁、90×45 mmのタスキ掛け筋かいを持つ壁を比較対照として設計している。また、本架構では接合箇所に使う金物は、普及の高いものを使用している。