アクリル系粘弾性体の大歪領域における破壊挙動の実験

 制振構造は大地震時の構造物の損傷,倒壊などの被害の低減を目的とするものである。そこに用いられる制振デバイスには様々なものがあるが,速度依存型のダンパーの代表的なものとして,粘弾性ダンパーが挙げられる。粘弾性ダンパーの剛性,エネルギー吸収量は粘弾性の厚さに反比例するが,これらを大きくしようとすれば粘弾性体のせん断歪も上昇してしまい,粘弾性体の破壊が危惧される。本研究では,実験的にその破壊挙動を明らかにすることを目的とし,また破壊試験の方法も提案する。
 実験の結果,材料が破壊にいたる歪と等価振動数との間に明確な相関があることを確認し,さらに破壊以前の載荷が破壊に大きな影響を与えないことを確認した。また破壊については確認載荷による貯蔵剛性の値が初期の80%以下になるときと定義し,これは目視による破壊の判断と良い一致を示した。そして破壊歪と破壊応力の関係を明らかにした。