オイルダンパーをもつ制振構造の等価線形化および設計法


 オイルダンパーは速度に比例して減衰力を生じる。特にリリーフ機構をもつものは、下図のように粘性係数がバイリニア的に変化する。これによりオイルダンパーに過度の荷重がかかるのを防ぐことができるが、このような非線形性によって、挙動に関して厳密解を得ることができなくなる。
 解析を簡易に行うため、オイルダンパーをもつ部材構成モデルをスプリングモデルに置換し、粘性係数をCd, pCd、オイルの圧縮剛性をKd、支持材剛性をKb、フレーム剛性をKfと定義する。粘性のみをもつ粘性要素、オイルの圧縮剛性と支持材剛性を考慮した付加系、フレーム剛性が並列結合したシステムに関して、それぞれに主要なパラメータの近似解が既往の研究により提案されている。
 リリーフ機構が有、無のシステムに、正弦波変形を加えた場合の履歴曲線は下図のようになる。粘性要素において、リリーフ無の場合の履歴曲線は楕円であるのに対し、有の場合は楕円の上下が欠けたような形になる。付加系では等価支持材が変形するため、粘性要素の履歴曲線が傾いた形になる。システムでは並列結合したフレーム剛性により、付加系に比べて剛性が高くなる。
 以上のようなモデル化と挙動に関する近似解を用い、等価線形化手法によって応答値の簡易な予測を行う。現在はそれを使って高層建物のモデルである多質点系モデルに対するオイルダンパーの分配法に関する研究を進めている。