粘弾性・弾塑性体の直列結合ダンパーをもつ制振構造の等価線形化および設計法


 パッシブ制振構造に用いられる制振装置は、速度依存型と変位依存型に大別することができる。前者では、小振幅域から高い減衰性能を有する反面、大地震時での装置反力の増大という制約条件が、後者では、取付け部材、基礎部への負担力を抑制できる反面、残留変形、小振幅域での加速度応答の増大という制約条件が存在する。これらの制約条件を除くため、速度依存型である粘弾性(VE)と、変位依存型であり摩擦材からなる弾塑性(EP)を直列に結合した粘弾塑性(VEP)ダンパーを提案した。
 粘弾塑性ダンパーをもつ制振構造の設計手法として、目標応答値を満たすまで試行錯誤的にダンパーのサイズを変え地震応答解析を繰り返す設計手法とは異なり、ダンパーと他の構成要素のバランスが制振効果に及ぼす影響や、要求性能に対する様々な解のオプションを明示し、制振のしくみの理解を促しながら合理的な設計を可能にする手法が必要である。本研究では、粘弾塑性ダンパーをもつ制振構造について、構成部材と制振性能の関連を包括的に表す性能曲線を提案し、それを用いた設計手法の構築を行った。