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キラル結晶の右手系・左手系で反転する放射状スピン構造を発見(笹川崇男准教授)

東京工業大学プレスリリース 2020年03月09日

 東京大学大学院工学系研究科の坂野昌人助教、理化学研究所創発物性科学研究センターの平山元昭研究員、東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の笹川崇男准教授、東京大学物性研究所の近藤猛准教授らの研究グループは、東京工業大学理学院の村上修一教授、産業技術総合研究所の三宅隆研究チーム長、広島大学放射光科学研究センターの奥田太一教授らの研究グループ、高エネルギー加速器研究機構の組頭広志教授らの研究グループ、東京大学大学院工学系研究科の岩佐義宏教授らおよび石坂香子教授らの研究グループと共同で、キラルな結晶構造に由来して発現する固体内スピンの特性を、テルル単体を用いた実験から明らかにしました。 

キラルな結晶構造を持ち、かつ強いスピン軌道相互作用を伴う物質では、電子の磁石としての性質であるスピンに由来した磁気的性質が、非磁性材料にも関わらず発現し得ることが、20世紀の半ばから知られていました。ところが、その物性を司るスピン偏極した電子構造の直接的な観察は、これまで成功していませんでした。本研究では、最も単純なキラル結晶構造を有し、かつ強いスピン軌道相互作用を合わせ持つテルル単体に着目し、スピン分解・角度分解光電子分光実験を行いました。その結果、キラルな結晶構造を持つ物質に対して初めて、スピン偏極した電子構造の観察に成功しました。さらに、キラルな結晶の特徴として、スピン構造が放射状となること、また、それらのスピンの向きが "右手系結晶" と "左手系結晶" で反転することを実験的に示しました。今回の結果は、強いスピン軌道相互作用を有するキラルな結晶が、有望なスピントロニクス材料であることを示しており、今後、電子・スピン変換デバイスの研究開発への進展が期待されます。

 本研究成果は、米国物理学会学術誌「Physical Review Letters」に米国東部時間3月10日に掲載予定、特に重要な論文としてEditors' Suggestionに選出されました。

 詳細は、東工大ニュースをご覧ください。

 DOI:10.1103/PhysRevLett.124.136404

 

笹川研究室



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