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― 非酸化による酸化膜形成で高品質化10倍 ―(松下雄一郎特任准教授)
逆転の発想でSiCパワー半導体の高品質化に成功
― 非酸化による酸化膜形成で高品質化10倍 ―(松下雄一郎特任准教授)

東工大ニュース 2020年09月04日

京都大学大学院工学研究科の木本恒暢教授、東京工業大学科学技術創成研究院フロンティア材料研究所の松下雄一郎特任准教授(物質・情報卓越教育院)、小林拓真博士研究員らのグループは、省エネの切り札と言われるSiC(シリコンカーバイド)半導体で20年以上にわたって大きな問題になっていた欠陥(半導体の不完全性)を一桁低減し、約10倍の高性能化に成功しました。

Si(シリコン)を中心とした半導体は、計算機のロジックやメモリだけでなく、電気自動車、電車のモータ制御、電源などに広く用いられていますが、消費電力(電力損失)が大きな問題となっています。近年、低損失化を目指して、Siよりも性質の優れたSiCによるトランジスタ開発が活発になり、実用化が始まりました。

しかしながらSiCトランジスタの心臓部となる酸化膜とSiCの境界部分(界面)に多くの欠陥が存在し、SiC本来の性能を全く発揮できない状況が20年続いていました。本グループは、欠陥の主要因がSiCの酸化であることを突き止め、SiCを酸化せずに表面に酸化膜を形成することによって、現在の世界標準に比べて10倍という世界最高の特性を達成しました。今回の技術により、普及が進む電気自動車や産業機器などへの、低損失SiCデバイス適用が急速に拡大し、エネルギー問題にも大きく貢献できます。

本成果は、2020年8月14日に国際学術誌「Applied Physics Express」にオンライン掲載されました。

詳細は、東工大ニュースをご覧ください。

本研究成果の関連記事が掲載されました。
 ・化学工業日報(2020年8月21日付朝刊5面)
 ・EETimes Japan(2020年8月20日)
 ・OPTRONICS(2020年8月号)
 ・日経XTECH (2020年8月21日)
 ・電波新聞(2020年8月20日)
 ・Yahoo!ニュース(2020年8月22日)

 

【論文情報】
掲載誌 :Applied Physics Express
論文タイトル :Design and formation of SiC (0001)/SiO2 interfaces via Si deposition followed by low-temperature oxidation and high-temperature nitridation(Si膜堆積、低温酸化、高温窒化によるSiO2/SiC界面の設計と作製)
著者 : Takuma Kobayashi, Takafumi Okuda, Keita Tachiki, Koji Ito, Yu-ichiro Matsushita, and Tsunenobu Kimoto(小林拓真、奥田貴史、立木馨大、伊藤滉二、松下雄一郎、木本恒暢)
DOI: 10.35848/1882-0786/ababed

松下研究室



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