真空ラインの使い方(7F)
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図1 真空ライン
注:使用者はホワイトボードに氏名と日にちを記入すること.
- ガラスライン全体を見渡してガラスに割れなどの異常がないこと,またラインのコック1を始め,他のコックも閉じていることを確認する.
- ロータリーポンプ(Rポンプ)のリークコック6は通常開放になっているから,このコックを閉じる.
- ロータリーポンプ(Rポンプ)の電源スイッチを入れ,音の変化に注意する.起動時の大きな音のあとは静かな回転音になるはずである.(異常音が続くときは,直ちにポンプを止めて調べなければならない.)

図2 ロータリーポンプの電源スイッチ
- コック1をあけ,トラップ部分を排気する.この部分は通常真空で保持されているから,ポンプ音に殆ど変化がないはずである.大気に開放されていた場合は,最初にポンプを回し始めたときと同じ音がするはずである.
- コックは基本的にポンプの側から順にあけていくが,その都度ポンプの音に注意する.(異常音が続けば真空漏れがあると考えられるから,直ちに調べなければならない.)
- 異常音がない場合は,ガイスラー管を点打して放電光の色を観察する.ポンプの開始後間もないときは空気の赤紫色であるが,次第に色が薄くなってついには10-3 mmHgの真空度では蛍光色のみとなる.さらに真空ラインにピンホールなどがある場合にはテスラーコイルを用いてその箇所を調べることができる.
- 真空に漏れが認められなかったら,液体窒素トラップをセットする.あらかじめ液体窒素を入れたデュワー瓶をゆっくりとセットしても,空のデュワー瓶をセットしてから液体窒素を注いでもよいが,一人で行うときはガラスをぶつけて割るようなことがないよう,十分注意しなければならない.液体窒素トラップをセットすると10-4 mmHgの真空度となり,ガイスラー管の蛍光色も消える.
- 以上で真空ラインがスタンバイ状態となる.
- 真空引きしたいサンプルを真空ラインに接続する.このとき,ガラスのスリのところにアピエゾンNグリースをつける.
- コック4を開け,真空引きする.ただし,粉末状のものを真空引きするときは,いきなりコックを開けると飛散するので,真空ライン中を常圧にもどしてから,少しずつ真空引きする.
- 液体窒素トラップをセットする.
- 拡散ポンプは真空ラインが既にロータリーポンプで引いてあり,液体窒素トラップがセットされている状態で使う.
- 拡散ポンプ(Dポンプ)に冷却水を流す.次に拡散ポンプ(Dポンプ)の電源をつける.

図3 冷却水の蛇口

図4 拡散ポンプの電源スイッチ
- 拡散ポンプ(Dポンプ)が温まったら,コック1を閉じる.次にコック2を開いて,コック3を開く.
- 真空引きが終わったらコック3・4を閉じる.次にコック2を閉じる.次にコック1を開く.拡散ポンプ(Dポンプ)の電源を消し,拡散ポンプ(Dポンプ)が冷えたら冷却水を止める.
- 真空引きしたサンプルを真空ラインから外すため,まずコック4を閉める.
- コック1を閉める.ただし,トラップ内に固体の有機物があった場合,コック1は閉めずに開けたままにしておく.
- デュワー瓶をトラップから外し,しばらくしてからロータリーポンプ(Rポンプ)の電源を切る.
- リークコック6を開く.
- トラップが室温に戻ったら,コック1を開いてトラップ内を大気圧に戻し,トラップを外す.
- トラップ内にたまった物質を除去し,グリースをふき取り,洗浄,乾燥したのち,もとのとおりセットする.