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研究: Research

機能性セラミックス物質科学のフロンティアを切り拓く
− 不連続で驚きのあるセラミックス新物質・新機能の発見とメカニズム解明 −
はじめに(教員からのメッセージ)
  電気を流しにくいというイメージをもつセラミックスの銅酸化物が、冷却すると金属や合金よりもずっと高い温度で抵抗がゼロの超伝導状態になることが見つかったのは約20年前のことです。 超伝導転移温度 Tc の上昇の歴史を下の図にまとめましたが、この高温超伝導という現象の発見は、従来の金属や合金における超伝導の延長線上にはなく、大変な驚きでした。

  高温超伝導体の機能がもつ高いポテンシャルは、産業界への大きな刺激になったことは言うまでもありません。社会に与えた大きなインパクトの一端は、下のイラストに描かれたような高温超伝導の技術的を応用して実現される未来像という夢に見て取ることができます。

  より高い Tc をもつ物質の探索や、高温超伝導メカニズムの解明に向けた研究は、関連する遷移金属化合物への理解を深めるとともに、物性測定技術を高度に発展させ、強相関電子系の物理という新しい理論体系を生み出すなど、学問の育成にも大きく貢献しました。 そして最も重要なのは、不連続で驚きに満ちたこの現象の発見は、理工学分野を大変に魅力のあるものとし、学問と産業を共通に支える人材を育てる原動力となったことです(私の理工系進学のきっかけにもなりました)。
  本研究室では、高温超伝導体を超えるようなセラミックス新物質・新機能の発見と、そのメカニズムの理解を目指しています。 これらの研究を通じて、次世代のリーダーとなる資質を持つ人材が、当研究室より数多く輩出されることにも期待しています。

研究テーマ
  機能性セラミックス材料の物質設計は、熱力学的に安定な相を元素の組み合わせを変化させて合成し、その諸性質を調べてゆくという探索的な手法から、より戦略的な方法へと大きな進化の時代を迎えています。結晶構造の次元性や対称性などの幾何学的な知識をベースに、遷移金属元素の持つ電荷・スピン・軌道という量子自由度までをも活用するようになり、その秩序状態や競合状態をナノ構造やヘテロ界面なども積極的に利用して、設計・制御するようになってきています。このために、従来では考えられなかったような新物質や新機能を発見できるチャンスも飛躍的に増大しています。
  本研究室では、作り(精密組成制御試料・単結晶)、測り(マクロ物性・先端量子測定)、考え・予測する(第一原理計算)という物質科学研究の醍醐味を、自給自足のスタイルで全て味わうことが出来ることを自慢にしており、これらの武器を組み合わせて機能性セラミックス物質科学研究におけるホームランを狙っています。

[機能性セラミックス新物質・新物性の探索・設計]
[セラミックス機能物質の単結晶開発]
[先端量子計測によるセラミックス超機能のメカニズム解明]

[研究成果の新聞報道]  [論文リスト]  [学会発表リスト]
研究室紹介パンフレット(pdf):
物質科学創造専攻(2009年度版)物質科学創造専攻(2007年度版)応用セラミックス研究所版


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