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共同利用研究 研究成果 (2011年度)

 糖の9割、樹脂原料に転換-チタン酸化物を触媒に(原亨和 教授)

原亨和教授らは、植物由来の糖(グルコース)の9割以上を樹脂原料に転換できる技術を開発した。国内資源が豊富なチタンの酸化物を触媒に使う。

開発したのは糖をヒドロキシメチルフルフラール(HMF)と呼ばれる化合物に転換する技術。HMFはポリエステルの原料となる。2008年に同教授らによって開発された植物の茎や木材を構成するセルロースを100%糖に変える技術と今回の技術を組み合わせると、木の廃材や稲わらなど食べない部分から樹脂原料を量産できる。

市販のHMFは石油を原料としており、新技術を使えば石油が不要なうえ、HMFの価格は10分の1以下に下がるとみている。企業と組み、3年以内にパイロットプラント、5年以内に商業プラントの完成を目指す。


日経産業新聞 2011年9月7日 朝刊7面

 

 高温で収縮 新素材(東 正樹教授) 

東正樹教授らの研究グループは、室温付近で既存材料の3倍以上の大きさの「負の熱膨張」を示す酸化物材料を発見したことを6月14日付の英国の科学誌「Nature Communications」で発表した。負の熱膨張材料は光通信や半導体製造装置など、精密な位置決めが求められる局面で、構造材の熱膨張を補償(キャンセル)するのに使われる。この新材料を樹脂中に少量分散させることにより、加工性に富み、温度が変わっても伸び縮みしない「ゼロ熱膨張材料」の製作につながると期待される。同研究は東京大学、広島大学、英国エジンバラ大学、同ラザフォードアップルトン研究所と共同で行われた。

6月14日付の「Nature Communications」はこちら、本学発表の詳細についてはこちらを参照。

 

 コバルト化合物の超電導体を発見 (細野秀雄教授) 

細野秀雄教授らは、極低温で電気抵抗がゼロになる新しい超電導材料を発見したことを6月8日付の米国物理学会の論文誌「Physical Review Letters」(電子版)で発表した。細野教授らは2007年以降、ニッケル、鉄をそれぞれ含む超電導材料を発見しており、今回、コバルトを含む材料を発見したことで、代表的な3つの磁性元素が出そろった。 新材料はランタンとコバルト、ホウ素からなる。電気抵抗がゼロになるのはセ氏零下269度(絶対温度4度)。コバルトが超電導を引き起こすとみている。

6月8日付の「Physical Review Letters」はこちら。 本学発表の詳細はこちらを参照。

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