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特定研究課題(2020年度)

特定研究課題の概要
1. 巨大負熱膨張材料を用いた熱膨張抑制技術の確立
代表者:東 正樹 
 
 熱膨張による位置決めのずれは、パワー半導体や3次元集積回路素子といった先端電子デバイスや、熱電変換、燃料電池といったエネルギー・環境技術において、喫緊の課題と認識されており、技術革新には熱膨張制御が不可欠である。固体物質の持つ電荷・軌道、スピン、フォノンの自由度とその秩序相の制御によって巨大な負熱膨張を発現する、革新的負熱膨張材料を用い、樹脂と複合化することで熱膨張を制御する技術を開発する。
2. 計算・データ科学による電子材料の機能解明と設計
代表者:大場 史康 
 
 材料の真の理解と的確な設計には、機能の起源となる原子・電子スケールの構造まで掘り下げた考察が不可欠である。本課題では、第一原理計算をはじめとした計算科学手法及びデータ科学手法を駆使して、多様な電子材料を対象に原子・電子構造と機能の相関を解明することを目的とする。分光法や電子顕微鏡法等による評価実験との連携も推進することで、原子・電子レベルの情報を的確に獲得し、その知見をもとに新材料の設計・提案へと展開することを目指す。
3. 繰返し効果を考慮した建築構造設計手法の構築
代表者:佐藤 大樹
 
 近年、高い確率で南海トラフ地震が発生することが知られている。南海トラフ地震のような長周期地震動が発生した場合、超高層建物に多数回の繰返しの振動が生じる。建物の安全性を高める技術として、地震エネルギーを吸収するダンパーを用いた制振構造や免震構造がある。ダンパーには繰返しにより性能が変化するものもある。本研究課題では、建築構造設計のさらなる高度化を目指し、多数回の繰返しによるダンパーの性能変化を実験および解析により検討すると共に、その影響を考慮した建物応答の解析的検討を行う。
4. ライフイノベーション材料の開発
代表者:神谷  利夫
 
  フロンティア材料研究所は、名古屋大学、東北大学、大阪大学、東京医科歯科大学、早稲田大学の各研究所と連携し、エネルギー、資源、環境、生体、医療の課題を解決し、私たちの生活を劇的に向上させるライフイノベーションマテリアルの開発を推進している。フロンティア研では特に、特異なイオン価数や複合した化学結合を取り自然ナノ構造のような特異構造を取りやすいという無機材料の特徴や、形状記憶合金に代表される特殊機能をもつ金属材料などに独自の技術をもつ。
 本提案研究では、これらのような無機・金属材料に特徴的な特異構造・機能を利用することで、ライフイノベーションマテリアルの創出につながる新しい機能材料、デバイスの開発にかかわる研究テーマを推進する。
5. 元素戦略にもとづく機能材料の開発
代表者:平松 秀典
 
 資源に乏しい日本において、ありふれた元素からなる物質から有用な機能性を引き出してゆくことはきわめて重要であり、このような視点から社会に寄与することが求められている。本課題では、エレクトロニクスを中心とする様々な有用な機能性材料の実現を目指し、ありふれた元素をベースに物質開発を行う。研究手法としては、バルクおよび薄膜などの試料作製に加え、試料の構造的、および電子的観測、さらに理論的な解析も含む。

 

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