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特定研究課題(2022年度)

特定研究課題の概要
1. 相転移を利用した熱伝導制御技術の確立とその展開
代表者:川路 均 
 
 熱伝導率の制御は、高集積回路素子などの先端電子デバイスの発熱・放熱の問題や、電池・発電・自動車エンジンなどのエネルギー・環境技術において、重要な問題となっており、新機能性熱伝導制御材料の開発研究が必要である。金属絶縁体相転移を持つ物質では、電荷、軌道あるいはスピンの自由度が秩序化することによって相転移を起こし、電気伝導率の変化とともに熱伝導率の急激な変化を引き起こす。このような熱伝導が外場や温度で変化する物質の相転移機構を明らかにするとともに、それらを様々な材料と複合化することで熱伝導を制御する実際の用途に展開する技術を開発する。
2. 極限ナノ材料造形と機能化
代表者:真島 豊 
 
 電子材料を10nm以下の極限まで小さくすると、量子力学的効果が顕在化し、1つのグレインを対象としたさまざまな物理現象を観察することができます。私たちの生活を豊かにするスマートフォンの半導体チップは、微細化が進み10nm以下のプロセスで現在製造されていますが、トランジスタやメモリは20年前と同じ動作原理を利用しています。本課題では、ナノ材料造形技術を駆使して、10nm以下の極限ナノ材料を造形し、バルクの電子物性とは異なる物理現象や、単一グレインにおける電子物性を観察し、デバイス化を目指した研究テーマを推進します。
3. 建築物における地震時の機能維持技術の確立
代表者:吉敷 祥一
 
 社会活動の中枢としての役割を果たす建築構造物において、地震後も継続して使い続けられる機能維持技術の確立が求められている。また、構造骨組だけでなく、室内空間を構成する非構造部材、室内環境を整える設備機器についても耐震性能を把握し、より高い耐震性能を付与する必要がある。本研究課題では、非構造部材、設備機器を主な対象として動的アクチュエータや多自由度載荷装置を用いた実験を行う。また、実験より力学挙動や損傷状態に対して、数値解析による分析を加え、地震時の損傷を抑制するための設計法を検討する。
4. インバースデザインを活用したライフイノベーションマテリアルの開発
代表者:神谷  利夫
 
  フロンティア材料研究所は、名古屋大学、東北大学、大阪大学、東京医科歯科大学、早稲田大学の各研究所と連携し、エネルギー、資源、環境、生体、医療の課題を解決する材料の開発を進めている。 今年度は、計算科学、データ科学等をより活用し、これら材料の開発をするための広域な研究テーマで募集する。
5. 元素戦略にもとづく機能材料の開発
代表者:平松 秀典
 
 資源に乏しい日本において、ありふれた元素からなる物質から有用な機能性を引き出してゆくことはきわめて重要であり、このような視点から社会に寄与することが求められている。本課題では、エレクトロニクスを中心とする様々な有用な機能性材料の実現を目指し、ありふれた元素をベースに物質開発を行う。研究手法としては、バルクおよび薄膜などの試料作製に加え、試料の構造的、および電子的観測、さらに理論的な解析も含む。

 

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