東京工業大学 フロンティア材料研究所

東・山本 研究室

研究手法

新物質を狙って創るー高圧合成

グラファイトがダイヤモンドに変化することから分かるように、数万気圧の高圧を用いると、通常の方法では得られない結晶構造を持つ物質を作ることが出来ます。また、圧力下では密度や配位数が上がるという明確な傾向があるため、構造の設計が出来るのも高圧合成の面白いところです。我々のグループでは、遷移金属酸化物の高圧合成に世界でも有数の経験を有しており、さらに、圧力下の化学変化を放射光X線観察でその場観察するというテクニックも持っています。


新物質を狙って創るー薄膜育成

高圧合成装置

ダイヤモンドの例から分かるように、高圧合成法で得られる新物質は、しばしば単結晶基板の上に原子を並べていく薄膜法でも合成できます。主に非鉛圧電体をターゲットに、パルスレーザー蒸着法や化学溶液法を用いた薄膜育成を行っています。


パルスレーザー蒸着装置

物質の状態を知るー精密構造解析

結晶構造を理解することは物質の理解の第一歩です。また、温度や圧力による構造変化と物性変化の関係を探ることは機能発現機構の解明につながります。実験室系のX線回折のみならず、内外の放射光X線や中性子施設を用い、先端的な構造解析を行っています。


粉末X線回折装置

物質の新しい性質を引き出すー極限環境下物性測定

高圧、低温、強磁場などの極限環境下では、通常とは違う新しい物質相が安定化されます。また、そうした摂動下での構造や物性の変化を理解することは、新しい機構による機能性材料の創出につながります。国内・海外の多くのグループと共同でこうした研究を進めています。



イギリスの中性子施設、ISISにて。高圧下中性子回折実験の模様。