研究内容 (Research)

我々のグループでは、主に以下のプロジェクトが進行中です。

バイオマス変換プロジェクト | アンモニア合成プロジェクト | 選択酸化反応プロジェクト | トピックス

バイオマス変換プロジェクト

固体ブレンステッド強酸

硫酸・塩酸などの液体酸は化学資源の生産に不可欠なブレンステッド酸触媒ですが、反応終了後の中和処理により多量の塩が副生するなど環境負荷が大きいです。一方、固体のブレンステッド酸触媒は、分離回収が容易・中和処理が不必要などの利点はありますが、一般的に触媒性能は液体酸に大きく劣るという問題点があります。このような研究背景の下、我々は新たな設計思想に基づく革新的固体ブレンステッド強酸「カーボン固体酸」を創出しました。この材料は高密度のスルホ基、カルボキシル基、水酸基を結合したナノサイズカーボンシートの集積体であり、加水分解・エステル化・水和反応等の反応で硫酸と同等あるいはそれを凌駕する触媒性能を発揮します。カーボン固体酸は生成物と容易に分離でき、その性能は1500時間以上の連続稼働でも低下しません。また、我々は木材粉を原料としたカーボン固体酸の大量製造法を確立し、製造された触媒は商用プラントへの適用が進められています。当該材料の科学に対してはScientific American 50 Award (2006) が授与され、その実用化研究に対しては文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)(2012)を受賞しました。

多機能水中機能固体ルイス酸触媒

水中で脱水・異性化・酸化・還元等のいくつかのステップからなる反応を選択的に促進する革新的不均一系触媒を創出できれば、実用化が困難であった木材など天然資源からのバルクケミカル生産も可能となります。我々は、4族(Ti、Zr)、5族(Nb、Ta)遷移金属酸化物が水中でもルイス酸触媒として機能することを初めて見出しました。一般的に、水中で不活性化してしまう触媒活性サイトが水中でも機能し、これまでの汎用触媒では達成できない多様で複雑な水中での糖類変換反応を温和な反応条件で選択的に進めることに成功しました。この成果は現在実用化検証の段階に達しており、経済産業省国家プロジェクト「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」の中心課題の一つに設定されています。

アンモニア合成プロジェクト

およそ100年前に確立されたハーバー・ボッシュ法によってアンモニアの大量生産が可能となり、その生産量は全世界で年間1.7億トンを越える勢いで増え続けています。この発明によって、食料生産に欠かせない化学肥料(窒素肥料)を十分に供給できるようになり、70億を超える人口が支えられています。さらに、アンモニアは10気圧、室温で液化が可能であり、貯蔵・運搬が容易な水素エネルギーキャリアとしても近年注目されていることから、これまで以上にエネルギー消費を抑えてアンモニアを生産することは重要な課題となっています。このような研究背景の下、我々は新材料12CaO·7Al2O3エレクトライド(C12A7:e–)をベースにした触媒を創出することにより、低環境負荷アンモニア生産に至る新たなルートを見出しました。C12A7:e–にRuナノ粒子を固定した材料(Ru/C12A7:e–)は強力な電子注入によるN2分子の効率的解離により、従来の触媒に対して1桁大きいアンモニア生成速度と1/2の活性化エネルギーを達成する触媒として働きます。さらにこの触媒はRu触媒の最大の欠点である水素被毒を抑制できるため、加圧下でもアンモニア合成効率が低下することがありません。この成果を論文(Nature Chemistry)で発表した後、RSC Advancing the Chemical Sciences のNews、読売新聞、日経新聞などに報道されるだけでなく、内閣府により「特筆すべき成果」として評価されています。
2013年8月10日に国立科学博物館にて高校生のための化学実験講座を開催しました。

選択酸化プロジェクト

酸化反応は,化学プロセスの3割を占める最も基本的かつ重要な反応の一つですが,反応制御の観点からは今なお多くの課題を抱えています.例えばプロピレン酸化でウレタン原料として重要なプロピレンオキサイドのみ合成したい場合,他の化合物(アクリル酸,CO,CO2など)の生成をいかに抑えるかがキーになります。そこで触媒という材料が重要な役割を果たします。

我々はこれまでに,水のみが副生成物である理想的な酸化剤である過酸化水素(H2O2)を用い,新規材料である金属酸化物クラスター触媒によるH2O2有効利用率ほぼ100%となる高難度選択酸化反応(例えば,プロピレンのエポキシ化反応,アルカンの水酸化)を実現してきました。一方,より理想的な酸化剤である酸素分子(O2)を温和な条件下で活性化でき広範な基質に適用できる不均一触媒反応系の報告例はほとんどありません。原・鎌田研究室のコラボにより,二酸化マンガン触媒によるO2のみを酸化剤としバイオマス由来の5-ヒドロキシメチルフルフラールからの機能性高分子原料である2,5-フランジカルボン酸(FDCA)合成系の開発に成功しました。また、選択酸化に有効な活性サイトを有するペロブスカイト材料の設計・創出を行い、O2の還元的活性化と活性酸素種の反応性制御に基づいた選択酸化反応系の構築にも成功しています.これら知見を活かし,厳密な活性サイトをもつ革新的固体触媒に挑戦しています.「メタンハイドレートのエネルギーキャリア化としても注目されるメタンからメタノールへの直接酸化」や「モノマーやグリコール中間体として需要が急増しているプロピレンオキシドの直接酸化合成」といった“夢の触媒反応” を実現する革新触媒の創成を目指しています。

トピックス

JACSの内容が東工大ニュースに掲載されました!

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本研究成果の関連記事が、以下のメディアに掲載されています。
化学工業日報 8月15日付2面
Chemical Processing
Renewalbe Energy Magazine
ChemEurope.com
AZO Cleantech
Green Car Congress
Health Medicinet
R&D
ScienceNewsline
Phys.Org.
EurekAlert

鎌田准教授が 平成29年度東工大挑戦的研究賞 学長特別賞 を受賞しました!

鎌田准教授が平成29年度東工大挑戦的研究賞 学長特別賞を受賞しました!

業績名: 高難度反応実現のための複合酸化物触媒の創製

Chemical Scienceの内容が東工大ニュースに掲載されました!

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本研究成果の関連記事が、以下のメディアに掲載されています。
日経産業新聞 2月23日付朝刊8面
化学工業日報 2月27日付朝刊6面
科学新聞 3月10日付3面
環境展望台
EurekAlert

ChemSusChemのBack Coverに採用されました!

二酸化マンガンを用いた5-ヒドロキシメチルフルフラールの酸素酸化に関する論文がChemSusChemBack Coverに採用されました。

ChemCatChemのBack Coverに採用されました!

ペロブスカイト型酸化物触媒によるアルコール類の酸素酸化に関する論文がChemCatChemBack Coverに採用されました。

ACS Catalysisの内容が東工大ニュース、JST共同発表、日本経済新聞に掲載されました!

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JST共同発表はこちら

日本経済新聞はこちら

Nature Communicationsの内容が東工大ニュース、JST共同発表、日本経済新聞に掲載されました!

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JST共同発表はこちら

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中島助教が 平成26年度触媒学会奨励賞 を受賞しました!

中島助教が平成26年度触媒学会奨励賞を受賞しました!

業績名: 水中で機能する固体ルイス酸の開発と糖変換反応への応用

中島助教が 平成26年度東工大挑戦的研究賞 を受賞しました!

中島助教が平成26年度東工大挑戦的研究賞を受賞しました!

業績名: 新規な水中機能触媒を用いた植物由来炭化水素からの必須化学品原料の環境低負荷合成

原先生が 平成25年度 第31回日本化学会学術賞 を受賞しました!

原先生が平成25年度 第31回日本化学会学術賞を受賞しました!

業績名:環境適合性の高い不均一系酸触媒・アンモニア合成触媒の開拓

原研で盛大に祝賀会を開催いたしました!

中島助教が 平成24年度 石油学会奨励賞(出光興産賞) を受賞しました!

中島助教が平成24年度 石油学会奨励賞(出光興産賞)を受賞しました!

業績名: 水中で機能する酸化ニオブおよびスルホン化カーボン固体酸触媒の開発とバイオマス変換反応への応用

国際会議
7th International Symposium on Acid-Base Catalysis
(ABC-7, Tokyo)

国際会議
『 7th International Symposium on Acid-Base Catalysis 』
(ABC-7, Tokyo)
の情報をアップしました。

原先生が平成24年度 文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門) を受賞しました!

原先生が平成24年度 文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞しました!

業績名:低炭素化固体酸触媒の開発 (受賞番号20)

原研で盛大に祝賀会を開催いたしました!

私たちの研究が日経産業新聞で紹介されました.
植物由来の糖を樹脂原料に転換.
-日経産業新聞2011年9月7日-

私たちの研究活動が週刊現代に
「植物由来の糖を樹脂原料に転換」
というタイトルで紹介されました.

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日経産業新聞 平成23年 9月 7日

週刊現代で私たちの活動が記事として掲載されました 
-週刊現代2010年12月号-

私たちの研究活動が週刊現代に
「環境を守る錬金術師」
というタイトルで紹介されました.

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週刊現代 H22 12月号

シアノバクテリアによるアンモニア生産
プロジェクト始動

私たちの研究が日経産業新聞で紹介されました.
チタン酸ナノチューブ化学工業を革命する.
-日経産業新聞2010年5月12日-

研究成果として
「チタン酸ナノチューブの固体酸触媒としての利用」
というタイトルで米国化学雑誌 Journal of The American Chemical Society のコミュニケーションにも掲載されました.

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爆笑問題、当グループに挑む。
今年(2009年)、4月21日(火)夜11:00~11:30 NHK総合テレビジョン
「爆問学問 爆笑問題のニッポンの教養」で放映!タイトルは「永久エネルギー誕生」
熱いバトルの幕が今切って落とされる。

茂木健一郎さんと対談する。「とても楽しかったです。」(原)
-日経サイエンス2008年9月号-

脳科学者の茂木健一郎さんと当グループの原が対談しました。
当グループの闇が、今、明かされる?

対談内容は「日経サイエンス」2008年9月号の100~105ページにわたって掲載されました。

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私たちの成果が論文で発表され、内容が日本経済新聞を始めとした各新聞で報道されました.(2008年8月)

私たちの研究成果「固体触媒によるセルロースからの糖の製造」が化学系フルペーパー学術誌の最高峰"Journal of The American Chemical Society"で掲載されました。(J. Am. Chem. Soc. 2008, 130(38), 12787.)

このことは、日本経済新聞を始めとした各新聞、マスメディアで報道されました

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日本経済新聞2008年8月25日朝刊

私たちのグループ、神奈川科学技術アカデミーにも出現。
―原「エコ固体酸触媒プロジェクト」―始動(2007年4月1日)

そのポテンシャルが国内外で高く評価されている神奈川県の公的研究機関「神奈川科学技術アカデミー(KAST)」。

この研究機関が年1件だけ募集する「創造展開プロジェクト」に当グループのテーマが採択されました。その名も原「エコ固体酸触媒プロジェクト」
これを機会に東京工業大学とKASTの間で、研究・教育に関する組織的連携協定を締結。国内外の大学―公的研究機関―企業を結ぶ壮大なスケールのプロジェクトが今、始まります。

Scientific American誌(日本語版「日経サイエンス」)が当グループの研究成果を「年間ベスト50」に選びました(2006年12月に掲載)

160年の歴史があり、13ヶ国語に翻訳されている世界有数の米国科学誌Scientific American(日本語版名「日経サイエンス」)。この雑誌は科学技術の各分野で研究、ビジネス、政策などについてリードした個人や企業、団体を 毎年50件選出し、その12月号で発表しています。例えば、昨年はGoogleがベスト50に選ばれました。(昨年の「ベスト50」の記事

今年度(2005年10月~2006年9月)は当グループの研究が日本でただ一つベスト50に選ばれました。

この受賞は2006年11月6日にリリースされ、Scientific American12月号、日経サイエンス1月号で発表されます。

プロトニック・ソリッドによる革新的バイオディーゼル合成を英科学誌「ネイチャー」で発表(2005年11月)

当グループが開発したプロトニック・ソリッドによる革新的なバイオ・ディーゼル合成を英科学誌「ネイチャー」で論文発表しました。

"Biodiesel made with sugar catalyst", Nature, 438, 178 (2005).
この研究成果は国内の多くのメディアで紹介されただけでなく、海外の主要メディアでも報道されました。

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凸版印刷との共同研究により燃料電池用新素材の開発に成功(2006年1月)

当グループと凸版印刷との研究により高分子電解質型燃料電池用の高性能プロトン伝導体の開発に成功し、新聞で発表しました。

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凸版印刷株式会社のホームページの記事

  • Asahi.comの記事(2月3日)
  • 日経BP(2月3日)

当グループのバイオ・ディーゼルの研究が米国一般ニュース番組「National Geographic」で報道されました(2005年11月)

プロトニック・ソリッドが英科学誌「ネイチャー」で紹介されました。(2004年5月)

当グループが開発したプロトニック・ソリッドが英科学誌「ネイチャー」で紹介されました。

"Solid prospect", Nature, 429, 519 (2004).

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〒226-8503 横浜市緑区長津田町4259
フロンティア材料研究所 原・鎌田研究室
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