断熱型熱量計

我が研究室が誇る世界最高精度と確度の断熱型熱量計です.
当研究室には合計6台の断熱型熱量計が存在しています.


装置ごとに違いますが,4 K から400 Kまでの広い温度領域での熱容量測定が可能です.ただし,出来るだけ純度の高い試料が数グラム単位で必要です.量が多いほど測定値の精度と確度が上がります.

試料を周囲との温度勾配のない高真空中に吊し,試料が熱力学的平衡状態に到達したときの温度を測定することで,高精度の測定が可能です.

PPMS

数十ミリグラム程度の少量の試料で比較的簡便に
精密な熱容量測定が可能な実験機器です.

オートメーションが有り難いです.

これも室温以下の熱容量測定が可能です.

最近はPPMSをクライオスタットとして,低温熱膨張測定装置を挿入することで,熱膨張率も測定できるようになりました.

マシンタイムがなかなか空かないという悩みがあります.

MPMS

PPMSと同じく簡便に物質の磁化,磁化率測定が可能な実験機器です.

つい最近までは,MS-DOSで測定プログラムを
作成していました.貫禄を感じる機器です.

これも数ミリグラム程度の試料で測定できます.

温度範囲は1.7 Kから300 Kです.
直流磁化率は5 Tまでの磁場下測定が可能です.

DSC

室温以上の熱容量測定に使用します.
また,100 K 〜 1000 Kの温度範囲で熱異常の観測ができます.
入力補償型と熱流速型の計2台あります.

入力補償型のDSCは試料側と基準物質の温度を等しく保つために必要な熱量の差を測定し,直接熱量を測定していますが,温度決定は.当研究室では,パーキンエルマー社のPyris1を使用し,アルミナを標準試料としてステップ法で熱容量測定をしています.

熱流速型のDSCはTAインスツルメンツ社のQ100

3He/4He希釈冷凍機

mKオーダーの極低温,9Tの高磁場下での熱容量測定,電気抵抗測定に用いる3He/4He希釈冷凍機です.

内部に取り付ける測定セルはホームメイドで常に最高精度を目標として努力しています.

ずっと稼働しています.比熱測定用新セルを試作中です。

熱容量分光計

熱容量の周波数依存性が測定できる装置です.
ガラスの熱容量測定などに力を発揮します.

川路研究室は日本でも熱容量分光法を行っている
唯一の研究室です.

TG-DTA

温度変化にともなう重量変化と熱異常を同時測定できる装置です.

超伝導物性測定装置

室温以下の誘電率,電気伝導度,ゼーベック係数などを測定できます.

測定中は音がします.

カールフィッシャー

サンプルに含まれる水分量を測定できる装置です.

液体試料の純度決定時に,水を不純物として測定するという贅沢な使い方も出来ます.


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