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研究: Research

機能性セラミックス物質科学のフロンティアを切り拓く
− 不連続で驚きのあるセラミックス新物質・新機能の発見とメカニズム解明 −

機能性セラミックス新物質・新物性の探索・設計

  多様な量子自由度(電荷・スピン・軌道)が絡み合った量子物性の舞台設計を結晶化学的観点に基づいて行い、種々の合成技術を駆使して機能性を持った新セラミックス物質として実現します。
  特に開発を目指すのは、同一な結晶構造で電子ドープと正孔ドープのどちらでも超伝導を発現する物質や、従来のイオン変位ではなく電荷秩序の特殊な配置によって電子強誘電性を示す物質、量子自由度による熱起電力の巨大増幅を利用した熱電発電物質、強磁性と強誘電性を兼ね備えるような複合フェロ物質、量子自由度の秩序状態に履歴(メモリ)性を持つ物質、小さな外場で金属絶縁体転移などのスイッチング挙動を示す物質などの、近未来のエレクトロニクスを担う要素となるセラミックス機能物質などです。

  特に、金属元素や酸素量に不定比性を持ちやすいというセラミックス物質の特性に注目しながら、組成を精密に制御して合成した物質を対象に、組成敏感な物性や機能の制御と発掘を目指しています。
  化学修飾の一手段としては、酸素の同位体までも利用し、物性や機能を制御するための自由度の一つとして活用できないかを検討しています。

  セラミックス電子機能への微細化の影響は?セラミックス機能物質同士の接合界面特性は?格子不整合のナノ界面で起こる物性変化は?などを問題意識として、機能性セラミックス材料のデバイス応用に向けた基礎研究も展開しています。
  特に、基板と薄膜の格子定数の違いから生ずるエピタキシャル歪みは、超伝導や金属絶縁体転移の転移温度を劇的に変化させたり、磁気秩序を安定化・不安定化させたりと、巨大な影響を持つ例が近年報告され始めていることからも、セラミックス機能物質の構造物性として注目しています。これまでの研究では、単結晶試料を対象に異方的な圧力効果を検討することにより、ヘテロナノ界面について報告されていた特異な現象を、バルク状態で再現し、更に制御することにも成功しています。

  最近の新たな取り組みとして、新物質・新物性の探索や設計、そして実験結果の理解に、計算機を用いた理論計算の活用も始めています。経験的なパラメータや実験結果を必要とせずに、結晶構造の初期モデルだけから、物質のもつ電子物性を予想できる第一原理計算は、非常に強力な武器になりつつあります。第一原理計算を、“条件(物質)設定をして計算機に実験をさせている”という実験屋の観点で利用することで、【精密組成制御試料合成 ⇔ マクロ物性・先端量子計測 ⇔ 第一原理計算】を効率的に連携させて、物質科学創造のフロンティアを目指しています。

[はじめに(教員からのメッセージ)・研究テーマ]
[セラミックス機能物質の単結晶開発]
[先端量子計測によるセラミックス超機能のメカニズム解明]

[研究成果の新聞報道]  [論文リスト]  [学会発表リスト]
研究室紹介パンフレット(pdf):
物質科学創造専攻(2009年度版)物質科学創造専攻(2007年度版)応用セラミックス研究所版


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