研究概要

  相転移現象とは物質全体の状態が変化する巨視的な現象を指し、 身近な例では水の蒸発や凝固などがその例です。現代社会の様々な場所で使われている誘電体や磁性体、液晶など様々な機能性材料も、 何らかの相転移を経てその機能性を発現しており、なぜ相転移が起こるのかを解明することは非常に重要な課題です。 川路研究室では、様々な機能性材料に見られる相転移現象について、特に機能性発現機構に関わる構造と物性の相関に着目し、 熱力学的な観点から研究を進めています。

研究手法

調製条件を高度に制御した試料について、世界最高精度の断熱型熱量計による精密熱容量(比熱)測定をはじめとする 熱量測定や熱膨張測定などの熱物性測定を軸に、誘電率や磁化率測定、X線・中性子散乱実験などを行います。 これらの結果に基づき、誘電特性、磁気特性、電子・イオン伝導性、超伝導性、分子間相互作用などの特性を理解し、 物質の原子・分子運動の詳細や構造と物性の相関を明らかにすることを目指しています。