東京工業大学 フロンティア材料研究所
神谷・片瀬 研究室

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常識を覆す新しい電子機能材料とデバイスを創る

使える新しい機能材料とデバイスの開発

アモルファス酸化物半導体(AOS)
IGZO  2004年以前は、Si, GaN や ZnO のような結晶でないと「良い半導体」はできないと信じられていました。 それに対して私たちは、 In-Ga-Zn を成分とする酸化物 IGZOが、 アモルファスであるにもかかわらず、 高性能なトランジスタを作れることを実証し、図(上)のような 透明でフレキシブルな高性能トランジスタを発明しました。 この技術は、 iPad, Surface Pro4 や 77型有機EL TV などに使われています。 さらに最近では、図(下)のように、世界で初めて無機の発光薄膜の室温形成に成功し、 有機ELを超える新しい発光デバイス・ディスプレイの実現も視野に入ってきました。
[関連論文] K. Nomura et al., Nature (2004), Science (2003).

 

科学者の常識を覆す新しい機能材料

共有結合を利用して、絶縁体のはずの材料を透明導電体にする
IGZO  酸化ゲルマニウムは 6 eV 以上の大きなバンドギャップを持ち、非常に良い絶縁体として知られています。 しかし、図のような量子計算によって電子構造を正しく理解すると、 立方晶構造の SrGeO3 はバンドギャップが 2.7 eV へと極端に小さくなることが分かり、実験的に良い透明導電体になることを明らかにしてきました。 このように、計算機シミュレーションを援用することにより、物質に関する新しいセンスを身につけ、画期的な新材料の開発を目指しています。
[関連論文] H. Mizoguchi et al., Nature Commun. (2011).

 

今まではできないと信じられてきた材料を実現

バンドギャップが 4 eV 以上のアモルファス半導体
IGZO  上でも述べたように、アモルファス半導体の特性は良くないと信じられてきました。 私たちはこの迷信を AOS によって覆したわけですが、次には「バンドギャップの大きいアモルファス半導体は作れない」という迷信がありました。 私たちは, アモルファス酸化物におけるドーピング機構と欠陥をきちんと理解することにより、 バンドギャップ 4.12 eVのアモルファス酸化物半導体GaOxの開発に成功しました。
[関連論文] J. Kim et al., NPG Asia Mater. (2017).

 

微少な熱から高効率にエネルギーを創る新材料

IGZO  私たちの身の周りには「熱」という無限のエネルギーが至る所に存在しますが、現在は使うことができていません。 微少な熱を電気に変えてエネルギーを回収できる新材料を創れば、 電池を必要としない電子通信デバイスをあらゆるモノ・場所に配置する IoT社会が実現できます。 このような高効率・超省電力デバイスを実現するため、当研究室では、超精密な薄膜化技術を利用して、 新しい発想とメカニズムによって従来の性能を大幅に超える創エネ材料の研究を進めています。

 

コンピュータを利用した材料科学・材料設計

IGZO  当研究室では、分子動力学法、第一原理量子計算、デバイスシミュレータなどコンピュータ支援を駆使して研究を進めています。 新しい材料を見つけるというのは、大変な仕事です。 当研究室では、「なぜこの材料がいい特性を示すのか」を理解し、「もっと特性をよくするためにはどうしたらよいのか」を予測(期待)し、 「実際に材料を合成して確かめる」という流れで、使える新材料の開発を目指しています。 新しい材料を創るためには、実験が一番大事ですが、必要な場合にはコンピュータによる理論計算をして、 実験と理論の両面から研究を進めています。