第156回建築物理研究センター講演会 (大林組技術研究所副所長 勝俣英雄氏)
開催日時 | 2015年07月24日 16:30 -18:00 |
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開催場所 | すずかけ台キャンパス 大学会館2階 集会室1 |
主催 | 建築物理研究センター |
連絡先 | 笠井和彦 教授(E-mail: kasai@serc.titech.ac.jp) |
プログラム等
講師: 勝俣 英雄 氏
(大林組技術研究所副所長)
題目: 「低層鉄筋コンクリート建物の耐震性能評価」
講演概要:
日本にはRC 建物の膨大なストックがあります。1950年代になってRC建物は日本中に普及しだしましたが、当時の人々はまず教育に力を入れようと、学校校舎をRC構造で作ったようです。しかし、そのような人々の期待を裏切って1968 年の十勝沖地震では多くのRC 建物が被災しました。この地震が現在の耐震設計・耐震診断の基礎を作ったと言えます。それから50年近く過ぎましたが、的確かつ簡便に低層RC建物の地震応答性状を評価できるほど学術は進歩していません。経験工学的にはバラつきの範囲が分かって安全側に評価できれば、よいかもしれません。現状の耐震診断は次善の策として、そのような方法で妥協していると言えます。しかし、未知の地震に対して外挿的評価を続けることは適切ではありません。講演では、耐震診断・耐震判定という簡略な地震応答評価手法の概要を説明するとともに、その限界も紹介します。さらに、現状の耐震補強技術や、耐震診断の応用としての地震リスク評価手法の一例を紹介します。この講演が、新たな簡易で的確な耐震性能評価手法が生み出されることに貢献できれば幸いです。