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第302回応用セラミックス研究所講演会 (小松 克伊 氏)

開催日時 2015年11月12日 14:00 -15:30
開催場所 J2棟20階 中会議室
主催応用セラミックス研究所
連絡先谷山 智康 准教授(内線:5632)

プログラム等

第302回応用セラミックス研究所講演会

講師: 小松 克伊 氏
    (国立研究開発法人 物質・材料研究機構 研究員)

演題: 「グラフェンにおける量子・スピン輸送」

講演概要:
 グランフェンは二次元性を持ち、高い移動度や炭素という軽い元素から構成されることから、長いスピン緩和時間が期待され、量子輸送やスピン輸送が盛んに研究されてきた。本講演では、①グラフェンの超伝導近接効果[1]、②グラフェンへのスピン注入[2]、③グラフェンヘテロ構造における量子輸送、について述べる。
①我々はグラフェンに超伝導を接続することで、超伝導近接効果を観測することに成功し、さらにゲート電圧によって超伝導電流がON/OFF可能であることをはじめて見出した。これは、グラフェンのディラック点近傍で予想されているスペキュラーアンドレエフ反射がチャージパドルによって生じることで、クーパー対が壊されるからであると考えられる。
②グラフェン上には一般に直接トンネルバリアを成長させることが困難である。我々は非常に薄い酸化イットリウムがグラフェン上に均一に堆積することができることを見出し、これをトンネルバリアとして用いることで低抵抗で高スピン注入効率を達成した。
③六方晶窒化ホウ素とグラフェンのヘテロ構造を用いることで、モアレ格子からのグラフェンのバンド変調による第二のディラック点の出現や、Hofstadter'sbutterflyの観測、ゼロ磁場中非局所電圧などについて述べる予定である。
[1]Komatsuetal.,Phys.Rev.B,86,115412(2012).
[2]Komatsuetal.,APEX7,085101(2014)

 

伊藤・谷山研究室

 

 

 

 

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