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第79回フロンティア材料研究所講演会 (平山 元昭 博士)

開催日時 2018年10月04日 15:00 -16:30
開催場所 元素戦略研究センター(S8棟) 1Fレクチャーホール
主催フロンティア材料研究所
連絡先細野 秀雄 教授(内線 5009)

プログラム等

第79回フロンティア材料研究所講演会

講師 平山 元昭  博士 (理化学研究所)

演題 第一原理計算によるトポロジカル材料開拓

講演概要:
電子の波動関数のもつ幾何学的性質の研究が、世界的に大きな盛り上がりを見せている[1]。波動関数の持つトポロジーは、トポロジカル絶縁体などの新奇量子相から、イオン性・共有結合性といった物質の基本的な事柄まで、幅広い物性に絡む重要な概念である。 本研究では、空間群に基づく波数空間の観点と材料的なエネルギーの観点から、トポロジカル材料とその新奇物性の開拓を第一原理計算に基づいて執り行う。我々は具体的な幾何学的半金属として、フェルミ準位に点状の縮退を持つ系(Weyl半金属)としてTeを、線状の縮退を持つ系(ノーダルライン半金属)としてfcc Ca,Sr,Ybを提案した。これら幾何学的半金属は、その特異な電子構造を反映し、バルクや表面に特異な物性が発現する。さらに、本研究では、トポロジカル材料の新たな舞台として電子化物を提案する[2]。電子化物中の空隙におけるアニオン電子の仕事関数は小さく、バンド反転と親和性が高い。我々は実際に、Sc2CがZak位相πを持つ(分極が量子化された)絶縁体であることを発見した。この量子化された分極を持つ絶縁体を利用することで、トポロジカルキャリアという新たな高濃度キャリア注入法が可能となる。

[1] M.Hirayama, R. Okugawa, and S. Murakami, J. Phys. Soc. Jpn. 8, 041002 (2018).
(SPECIAL TOPICS)
[2] M. Hirayama, S. Matsuishi, H. Hosono, and S. Murakami,
Phys. Rev. X 8, 031067 (2018).

 

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