第83回フロンティア材料研究所講演会(只野 央将 先生)
開催日時 | 2018年11月26日 16:00-17:00 |
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開催場所 | 東工大 フロンティア材料研究所 R3棟1階会議室 |
主催 | フロンティア材料研究所 |
連絡先 | 片瀬 貴義 (E-mail: katase@mces.titech.ac.jp, 内線: 5314) |
プログラム等
演題:「第一原理からの有限温度フォノン計算:手法開発とエネルギー材料への応用」
講師: 只野 央将 先生
(物質・材料研究機構 若手国際研究センター 研究員)
要旨:
第一原理フォノン計算は材料の熱膨張や自由エネルギーの比較による相安定性の議論など幅広く用いられており、現在では熱物性の理解・予測に欠かせない技術になっている。 フォノン計算では、原子変位が十分小さいという前提の元で調和近似が使われることがほとんどであるが、調和近似はフォノン振動数の温度依存性が記述出来ず、また構造相転移近傍や高温相で破綻することが知られている。 近年、我々は第一原理計算でフォノンの非調和性や温度依存性を取り込むための汎用的な方法論開発とソフトウェア整備を進めてきた[1-3]。本講演では、計算手法の基礎的な点を述べ、 ペロブスカイト酸化物SrTiO3 [1]、負熱膨張材料ScF3 [4]、そしてハライドペロブスカイトCsPbBr3への適用例を通じてその有効性を示す。
[1] T. Tadano and S. Tsuneyuki, Phys. Rev. B 92, 054301 (2015).
[2] T. Tadano and S. Tsuneyuki, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 041015 (2018).
[3] T. Tadano, “ALAMODE”, https://github.com/ttadano/alamode
[4] Y. Oba, T. Tadano, R. Akashi, and S. Tsuneyuki, arXiv:1810.08800.