第100回フロンティア材料研究所講演会 (金光義彦教授)
開催日時 | 2019年03月26日 15:00-16:30 |
---|---|
開催場所 | 元素戦略研究センター レクチャーホール S8棟1階 |
主催 | フロンティア材料研究所 |
連絡先 | 細野 秀雄 教授(内線 5009) |
プログラム等
講演者: 金光 義彦 教授
( 京都大学化学研究所 )
題目: ハライドペロブスカイトの光物性とデバイス応用
概要:
2009年の鉛ハライドペロブスカイトを用いた太陽電池の報告以来、この新しい太陽電池材料の研究が全世界で非常に活発に行われている。ペロブスカイト太陽電池の高い電力変換効率が注目を集めるが、このペロブスカイトは半導体材料としてユニークな特性を示す。ハライドペロブスカイトはAMX3と表すことができる。半導体としての優れた特性を示すものは、現時点ではMが鉛(Pb)のものだけである。Aカチオンとして、CH3NH3+やHC(NH2)2の有機分子さらにはCs+の無機イオンが用いられるが、最近ではそれらの混合物が利用されることが多い。また、ハロゲンイオンXをI, Br, Clと置換することにより、近赤外から青色の幅広い波長領域で発光色を連続的に得ることができる。このペロブスカイトの半導体としての特性として、(1)直接遷移型のバンド構造、(2)急峻な吸収スペクトル、(3)ストークスシフトのない発光、(4)室温でも80%以上の高い内部発光効率、(5)フォトンリサイクリング、などをあげることができる。これらにより、太陽電池をはじめとして発光ダイオード、レーザー、非線形光学デバイスなどの利用が期待されている。講演では、ハライドペロブスカイトのユニークな電子構造と光物性を議論し、光デバイスへの応用例を紹介する。