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退職記念講演会(和田章教授)

日刊建設工業新聞 2011年04月01日 朝刊

3月末で本学を退職した和田章教授、大町達夫教授の特別講演会が、3月5日、東京都目黒区の大岡山キャンパス・70周年記念講堂で開かれた。

日建設計で実務に携わり、1982年に本学助教授に就いた和田教授は、「建設の耐震から都市の耐震へ」というテーマで講演を行い、骨組みの強さや靭性、塑性の変形能力、構造物の一体性など耐震のポイントを示しながら、優れた構造設計の重要性を強調、縮小模型の震動破壊実験や実際の耐震建物を紹介した。

また、耐震設計を手掛けてきた自らの経験から、建物の高さ方向の振動モードを矯正する心棒(連層耐震壁)の有効性を披露した。

都市の耐震については、「都市が全国の自然に支えられていることを忘れてはならない。弱い構造の都市に人口が過度に集中すると大地震の時、財産と機能の維持は困難になる」と指摘し、「新しい技術によって建築やインフラのハードを強化するとともに、災害を乗り越えるソフトの開発、活用が重要だ」と今後の課題も提示した。

同教授は「東工大130年の歴史の中で、この30年の一翼を担い、後輩にバトンタッチする時がきた・国内外の多くの方々に大変お世話になった。心から感謝したい」と謝辞で講演を締めくくった。

 

 



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