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酸化物半導体-高速・高画質で映像表示(細野秀雄教授)

日経産業新聞 2011年08月29日 朝刊

 

液晶パネルの新材料として注目される「酸化物半導体」。

パネル上に規則的に配置して画像を制御する薄膜トランジスタ(TFT)の材料に使われる。

その中でも、細野秀雄教授らが開発した酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)材料の開発に注力している。

IGZOは、液晶テレビのトランジスタに使われているアモルファシリコンと比べて電子移動度が10倍大きく、高画質の映像表示が可能となる。さらに、IGZOは素材自体の透明度が高いため、液晶パネルの液晶パネルのバックライトの効率的な利用で、消費電力の抑制ができ、低温でトランジスタを形成できるので、ガラス以外の様々な素材を使ったディスプレーへの応用も期待されている。

日本勢ではシャープがIGZOをスマートフォンやタブレット端末に使う方針で、東芝も薄いプラスチック基板上に酸化物半導体のトランジスタを使った折り曲げられるディスプレーを開発中。

液晶パネルで世界最大手の韓国サムスン電子は、次世代技術で日本勢を突き放す狙いだが、電子デバイスの材料分野での研究者層の厚さを誇る日本が、酸化物半導体など新材料では技術革新の余地は大きく、韓国勢に対抗できる技術を生み出す可能性は十分期待できる。

 

 

細野・神谷・平松研究室

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