C12A7 絶縁体‐高温溶解で金属的伝導体(細野秀雄教授)
化学工業日報 2011年07月01日 朝刊 5面他
細野秀雄教授らは、セメントの構成成分である化合物12CaO・7AI2O3(C12A7)を1600度Cで溶解すると、金属のように電気を通すことを発見した。
結晶中のナノサイズのカゴに電子を入れ、酸素のない状態で高温にすることで同性質を示す。急冷してガラスを作製しても、高濃度の電子が存在、半導体となる。
同グループでは、新しいタイプの液体金属、半導体ガラスとして応用展開できるとしている。
同じような半導体ガラスの透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)は透明液晶ディスプレイ用薄幕トランジスタ(TFT)で注目されている。同グループでは、TAOSとは異なる応用が期待されるとしており、
室温では電子の放出源、高温状態では電解合成の溶媒などに利用されることが期待される。
この研究成果は、1日発行の米科学雑誌サイエンスに掲載される。
詳細については、本学HP「最近の研究成果」を参照。
細野・神谷・平松研究室