層状構造で高い伝導性 東工大 新電子化物を発見(細野秀雄教授)
産経新聞 2013年02月04日 他2紙
産経新聞は2月4日付の紙面で、細野秀雄教授らの研究チームがカルシウムと窒素でできた層状構造の物質が銀や銅と同じくらい電気をよく通すことを発見したと報じた。
同物質は、カルシウム原子2個と窒素原子1個の組み合わせが薄い板状に連続して結合し、パイ生地のように積み重なっている『2カルシウム窒化物』。通常の結晶が陽イオンと陰イオンが結合しているのと異なり、陽イオンと電子が結び付いた「エレクトライド(電子化物)」という特殊な化合物の一種で、構造上、電気抵抗が極めて小さく、電子を取り出しやすいことから幅広い応用が期待される。細野教授は、「ありふれた元素からなる物質だが、新たな触媒や超電導物質の開発につながり、資源が少ない日本の元素戦略に役立つだろう」と話している。
同研究成果は1月30日付のNature Onlineで発表された。東工大、東工大元素戦略拠点及び、最先端研究開発支援プログラム(FIRST)による共同プレスリリースはこちら。
同研究成果は2月5日付の日経産業新聞、日本経済新聞にも掲載された。