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日本発の技どう生かす-新型「IGZO」液晶、世界が注目 (細野秀雄教授)

朝日新聞 2013年05月23日 30面

 

朝日新聞は5月23日付の紙面で、シャープが世界で初めて量産化に成功した高精細・省電力の「IGZO」液晶に関する記事を掲載した。日本発の基礎研究の成果として世界から注目されている「IGZO」。グローバル化した世界の中で基礎研究の成果をどういかしていくべきなのか、同技術の開発者である細野秀雄教授および、同技術の基本特許を持つ科学技術振興機構(JST)の前理事長である北澤宏一氏のコメントと共にまとめた。

2004年に細野秀雄教授が英科学雑誌「Nature」に発表した「IGZO」は、半導体の材料に従来のシリコンではなく、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸化物(O)を使い、電気の通りやすさがシリコンより数十倍高い。

シャープは電気が漏れにくい性質に着目し、消費電力を従来の1-2割まで減らし、スマートフォンやタブレット端末向けに液晶事業立て直しの中核技術して位置づけた。同技術の基本特許を保有するJSTはライセンス契約を結べば世界のどの企業にも提供する方針を取っており、すでにサムスン電子他、複数の企業が契約を締結している。

国民の税金を使った研究成果を外国企業に開放することについては様々な意見が出ているが、北澤前JST理事長は、「軍事などにかかわらない限り、外国企業でも門戸を開放するのが国際的な科学技術研究の精神であり、(グローバル化が進む中)、ある技術を他の国に使わせない政策は逆に自国に不利に働く」とコメントしている。

 

 

 

 

 

細野・神谷・平松研究室



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