”夢の素材”で産業創出ー室温超電導でエレ革命ー（細野秀雄教授）
日刊工業新聞 2015年11月13日 朝刊
日刊工業新聞は、11月13日付朝刊の創刊100周年特別号シリーズ「日本力 未踏に挑む 素材・ナノテク」の中で、細野秀雄教授らが発見した鉄系化合物の超電導物質について紹介した。
それまで超電導研究の主役は長年、銅だった。それが「磁性と超電導は両立しない」という”常識”をを覆した鉄系超電導の発見で、超電導フィーバーが再来した。細野教授が超電導の専門家でなく材料分野の研究者であったことは、あらゆる産業でナノテクが花開いていることを象徴するものであった。細野教授は材料の研究について、「新領域を開拓することに最大の価値がある」と語る。既知の物質であっても、そこに新規の特性が見つかれば、全く新しい産業が開ける可能性があるという。
鉄系超電導体はその後の研究で送電ケーブル用の線材や超電導マグネットに応用できることが分かった。集用化に最も重要な結晶粒の境界が、銅酸化物の超電導体よりも優れていることを確認した。
