電子の移動 10倍速い材料~グラフェンなど続々発見~(笹川崇男准教授)
日経産業新聞 2016年02月17日
日経産業新聞は2月17日付の紙面で「ディラック電子をもつ材料」の特集記事を掲載し、笹川崇男准教授らの研究を紹介した。
まるで質量を持たないかのように、物質中を高速で動く「ディラック電子」を持つ材料が注目されている。その代表は、2010年にノーベル物理学賞の受賞対象となったグラフェン(単原子の炭素ナノシート)で、欧米や韓国で産学の精力的な研究が進んでいる。
グラフェンの欠点は、電流のオン・オフ制御ができず、トランジスタ材料になりにくいこと。新たな材料も次々と見つかっている。
東工大応セラ研の笹川崇男准教授らは、物質の表面だけにディラック電子が流れる「トポロジカル絶縁体」の研究を推進し、これに鉄などの磁性元素を添加すると新たな電子機能を付加できることも見出している。