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― 再生可能資源からのポリマー原料・医農薬中間体製造に期待 ―
(原亨和教授、喜多祐介助教、鎌田慶吾准教授)
バイオマス資源からアミンを直接合成できる新触媒
― 再生可能資源からのポリマー原料・医農薬中間体製造に期待 ―
(原亨和教授、喜多祐介助教、鎌田慶吾准教授)

東工大ニュース 2020年09月17日

東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の原亨和教授、喜多祐介助教と鎌田慶吾准教授らは、アルコールとアンモニアを一段階の反応で第一級アミンへと変換する新規ルテニウム触媒の開発に成功した。このルテニウム触媒は再生可能なバイオマス資源からエンジニアリングプラスチック原料を合成することができる。

アルコールから得られるカルボニル化合物がアミン合成の出発原料としてよく用いられており、アルコールからアミンを直接合成できる新しい触媒の開発が望まれていた。これまでに報告されているルテニウム触媒では、高い反応温度や本来は必要のない水素の添加が必要であるという問題点があった。今回の研究では電子的調整(電子チューニング)を行ったルテニウム触媒を開発することで、低い反応温度で様々なアルコールから水素の添加を必要としないアミンの直接合成に成功した。

この触媒はアルコール類の効率的な変換触媒としてだけでなく、有機化合物から水素を取り出し、また戻すことが可能な特徴を有していることから、有機ケミカルハイドライド法への応用も期待される。

研究成果は、英国王立化学会誌「Chemical Science(ケミカルサイエンス)」にオンライン速報版で9月3日に掲載された。

詳細は、東工大ニュースをご覧ください。

本研究成果の関連記事が掲載されました。
 ・日刊工業新聞 2020年9月18日付 朝刊19面 

 

【論文情報】
掲載誌 : Chemical Science
論文タイトル : Effects of Ruthenium Hydride Species on Primary Amine Synthesis by Direct Amination of Alcohols over Heterogeneous Ru Catalyst
著者 : Yusuke Kita, Midori Kuwabara, Satoshi Yamadera, Keigo Kamata, Michikazu Hara
DOI : 10.1039/D0SC03858J

 

原・鎌田研究室



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