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― ガラスの一見無秩序な構造の中に潜む秩序を抽出 ―
(西山宣正特定准教授、気谷卓助教、川路均教授)
世界一構造秩序のあるガラスの合成と構造解析に成功
― ガラスの一見無秩序な構造の中に潜む秩序を抽出 ―
(西山宣正特定准教授、気谷卓助教、川路均教授)

東工大プレスリリース 2020年12月25日

東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の西山宣正特定准教授と気谷卓助教、川路均教授、京都大学、国立研究開発法人物質・材料研究機構、バース大学、早稲田大学、岐阜大学、弘前大学、東京大学、琉球大学、ラウエ・ランジュヴァン研究所、筑波大学、オークリッジ国立研究所、ラザフォードアップルトン研究所、理化学研究所、ノルウェー科学技術大学、産業技術総合研究所、立命館大学、高輝度光科学研究センターからなる国際共同研究チームは、世界一構造秩序のある永久高密度シリカ(SiO2)ガラスの合成に成功し、その構造を大型放射光施設SPring-8をはじめとする量子ビーム施設を横断的に利用して明らかにしました。また、ガラスの原子の動き方が密度だけではなく構造にも大きく影響されることを発見しました。そして、パーシステントホモロジーをはじめとするトポロジカル解析により、その構造秩序は、ガラスに存在する原子のつながったリングの形が圧力と温度により変形しつつ形成されることによることをつきとめました。本研究により、ガラスを作る圧力と温度を精密に制御すればガラスの構造を自在に操れることが示され、高屈折ガラスや高強度ガラス、高性能光ファイバーの合成に新たな道を切り拓きました。

本研究成果は、2020年12月23日に国際学術誌「NPG Asia Materials」誌のオンライン版に掲載され、同誌のトップページを飾りました。

掲載誌 : NPG Asia Materials
論文タイトル : Structure and properties of densified silica glass: Characterizing the order within disorder
(高密度化シリカガラスの構造と物性:無秩序の中の秩序の特徴量の抽出)
著者 : 小野寺陽平、小原真司、Philip S. Salmon、平田秋彦、西山宣正、気谷卓、Anita Zeidler、志賀元紀、増野敦信、井上博之、田原周太、Annalisa Polidori、Henry E. Fischer、森龍也、小島誠治、川路均、Alexander I. Kolesnikov、Matthew B. Stone、Matthew G. Tucker、Marshall T. McDonnell、Alex C. Hannon、平岡裕章、大林一平、中村壮伸、Jaako Akola、藤井康裕、尾原幸治、谷口尚、坂田修身
DOI: 10.1038/s41427-020-00262-z

詳細は東工大ニュースをご覧ください。

本研究成果の関連記事が掲載されました。
 ・東京新聞 2021年1月10日付朝刊12面

 

川路研究室



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